シンガポールの賃貸契約の流れ完全ガイド【コンドミニアムの探し方から入居まで】
結論から言うと、シンガポールのコンドミニアム賃貸は日本の感覚とかなり違います。私も最初の契約のとき、知らないことだらけで焦りました。敷金・礼金・更新料という日本式の仕組みはなく、代わりにLOI(レター・オブ・インテント)やTA(テナンシー・アグリーメント)、Stamp Duty(印紙税)など独自のステップがあります。
正直に言うと、流れを知らずに契約すると損をする場面がいくつかあります。この記事では、私自身の経験をもとに、物件探しから入居までの全ステップをまとめました。
シンガポールで物件を探す方法
シンガポールでコンドミニアムを探す方法は、大きく3つあります。
1. 物件検索サイトを使う
最もポピュラーなのが、PropertyGuruと99.coの2大ポータルサイトです。どちらも無料で使えて、エリア・価格帯・間取り・MRT駅で絞り込みができます。私はいつも両方チェックしています。PropertyGuruの方が物件数が多い印象ですが、99.coはUIがシンプルで使いやすいです。
2. 不動産エージェントに依頼する
シンガポールではエージェントを使うのが一般的です。テナント(借りる側)がエージェントを使う場合、エージェント手数料は通常家賃の0.5〜1ヶ月分。リース期間や家賃額によって変わりますが、2年リースなら1ヶ月分が相場です。
移住してから気づいたのですが、エージェントは法律上、テナント側かオーナー側のどちらか一方しか代理できません。自分のエージェントがオーナー寄りの交渉をしてきたら要注意です。
3. 日系不動産会社を使う
英語での交渉が不安な場合は、日系の不動産会社を利用する手もあります。日本語で対応してもらえるので安心ですが、物件の選択肢がやや限られることもあります。会社の家賃補助で指定エージェントがある場合は、そちらを優先するのが無難です。
内見(ビューイング)のポイント
気になる物件が見つかったら、必ず現地で内見をしましょう。正直に言うと、写真と実物が全然違うケースは珍しくありません。私が特に気をつけているポイントはこちらです。
- 水回りの状態:シャワーの水圧、排水の流れ、カビの有無をチェック
- エアコンの動作:実際につけてもらって音や冷え具合を確認。エアコン修理は退去時トラブルの原因No.1
- 窓からの眺望・日当たり:隣の建物との距離、西日の有無
- 共有施設:プール・ジム・BBQピットの状態、使えない施設がないか
- 周辺環境:MRT駅やバス停までの距離、スーパーやホーカーセンターの有無
- 家具・家電の状態:シンガポールはFully Furnished(家具付き)が多いので、何が含まれるか要確認
できれば平日と週末の両方、時間帯を変えて2回以上見るのがおすすめです。騒音や人通りが時間帯で大きく変わることがあります。
LOI(レター・オブ・インテント)を出す
物件が決まったら、まずLOI(Letter of Intent)を提出します。これは「この物件をこの条件で借りたい」という意思表示の書類です。
LOIに含まれる主な内容は以下の通りです。
- 希望家賃(交渉OK)
- リース期間(通常1年または2年)
- 入居希望日
- 特別な条件(ペット可、家具追加など)
LOI提出時にはGood Faith Deposit(誠意金)として、通常1ヶ月分の家賃をオーナー側に預けます。これはオーナーがLOIを受諾した場合、セキュリティデポジットの一部に充当されます。もしオーナーが拒否すれば返金されますが、テナント側が撤回した場合は没収されるのが一般的です。
注意点:Good Faith Depositは必ずオーナー名義の口座に直接振り込みましょう。エージェント個人の口座への振込は違法です。
TA(テナンシー・アグリーメント)の締結
LOIが受諾されたら、正式な賃貸契約書であるTA(Tenancy Agreement)を結びます。TAは通常オーナー側のエージェントが作成し、内容を確認して署名します。
TAで特に注意すべき条項をまとめます。
Diplomatic Clause(ディプロマティック条項)
外国人テナントにとって最も重要な条項です。会社の転勤や解雇などで国外に出なければならない場合、リース期間中でもペナルティなしで契約解除できます。通常、リース開始から12ヶ月経過後に行使可能で、2ヶ月前の書面通知が必要です。
私の周りでも、急な帰任でこの条項に助けられた人がいます。必ず契約書に入っているか確認してください。
Early Termination Clause(途中解約条項)
Diplomatic Clause以外の理由で途中解約する場合の条件です。通常、残りのリース期間の家賃やデポジット没収がペナルティになります。この条項がない契約も多いので、万が一に備えて交渉しておくと安心です。
メンテナンス責任の分担
シンガポールの一般的なルールでは、S$150以下の小修繕はテナント負担、それ以上はオーナー負担です。ただしこの金額は契約によって異なるので必ず確認してください。エアコンの定期サービス(通常3ヶ月に1回)はテナント負担が標準です。
費用一覧:契約時にかかるお金まとめ
シンガポールの賃貸契約で発生する費用をまとめました。日本の敷金・礼金とは仕組みが違うので注意してください。
| 費目 | 金額の目安 | 負担者 | 備考 |
|---|---|---|---|
| セキュリティデポジット | 1年リース:家賃1ヶ月分 2年リース:家賃2ヶ月分 |
テナント | 退去時に損傷がなければ返金 |
| Stamp Duty(印紙税) | リース期間の家賃総額の0.4% | テナント | 署名後14日以内にIRASへ支払い |
| エージェント手数料 | 家賃0.5〜1ヶ月分 | テナント | リース期間・交渉次第 |
| 前払い家賃 | 家賃1ヶ月分 | テナント | 入居月の家賃 |
具体例:家賃S$3,500/月・2年リースの場合
- セキュリティデポジット:S$7,000(2ヶ月分)
- Stamp Duty:S$336(S$3,500 × 24ヶ月 × 0.4%)
- エージェント手数料:S$3,500(1ヶ月分)
- 前払い家賃:S$3,500
- 合計:約S$14,336(約160万円)
正直に言うと、初期費用は結構かかります。ただ日本のように礼金や更新料がないので、長期で見ればシンガポールの方がシンプルです。
2025〜2026年のコンドミニアム家賃相場
2025年のシンガポール賃貸市場は、2024年の下落から反転して回復基調で年間約+3%の上昇しました。2026年は「横ばい〜やや上昇」の予測が出ています。
| 間取り | 都心(CCR) | 都心周辺(RCR) | 郊外(OCR) |
|---|---|---|---|
| 1ベッドルーム | S$3,500〜6,000 | S$2,500〜3,800 | S$2,000〜2,800 |
| 2ベッドルーム | S$5,000〜8,500 | S$3,500〜5,500 | S$2,800〜4,000 |
| 3ベッドルーム | S$7,000〜15,000 | S$5,000〜7,200 | S$3,500〜5,500 |
⚠️ 要確認: 上記の家賃相場は2025年Q4〜2026年Q1時点の各種ポータルサイトの掲載価格帯をもとにした目安です。エリアや築年数、階数で大きく変わります。
日本人に人気のエリアとしては、日本人学校に近いWest Coast・Clementi周辺、オーチャードに近いRiver Valley・Tanglin周辺などがあります。
日本人テナントがやりがちな失敗
移住してから気づいたのですが、日本の賃貸の感覚そのままだと失敗しやすいポイントがいくつかあります。
- 渡航前にオンラインだけで契約してしまう:写真と実物が全然違うことがあります。必ず現地で内見してから契約しましょう
- エージェントの言いなりで契約内容を確認しない:TAは英語の長文ですが、Diplomatic ClauseやメンテナンスCLauseは必ず自分で読んでください
- 退去時のインベントリチェックを甘く見る:入居時にオーナーから渡されるInventory List(家具・家電のリスト)に、傷や不具合を細かく記録しておくことが大切です。退去時に「元からあった傷」の証拠がないとデポジットから差し引かれます
- エアコンのサービス記録を残さない:3ヶ月に1回のエアコンサービスはテナントの義務。記録がないと退去時にエアコン洗浄費用を請求される可能性があります
入居後に知っておくと便利なこと
- 光熱費の名義変更:SP Groupのサイトからオンラインで手続きできます。入居日の2週間前には申し込みを
- WiFiの契約:Singtel、StarHub、M1が主な選択肢。コンドミニアムによってはビルトインのファイバー回線があるので確認を
- コンドのルール確認:引っ越し可能な時間帯、ゴミの出し方、ペットの可否、リノベーションの制限など、管理事務所(Management Office)に確認しましょう
- 郵便の転送:SingPostのRedirectionサービスで旧住所から転送設定ができます
まとめ:契約の流れをおさらい
シンガポールのコンドミニアム賃貸の流れを整理すると、こうなります。
- PropertyGuru・99.coなどで物件を検索
- 内見(複数回・複数物件がおすすめ)
- LOI提出+Good Faith Deposit支払い
- TA締結+セキュリティデポジット支払い
- Stamp Duty支払い(署名後14日以内)
- Inventory Listの確認・記録
- 鍵の受け取り・入居
日本の賃貸とはルールが違うので最初は戸惑いますが、流れを把握しておけば大丈夫です。特にDiplomatic Clauseの確認と、入居時のInventory Listの記録は絶対に忘れないでください。この2つが退去時のトラブル防止に直結します。
シンガポールのホテル・宿泊
Klook.com※本記事の情報は2026年3月時点のものです。法令・制度・料金は変更される可能性がありますので、契約前に必ず最新情報を公式サイト等でご確認ください。

コメント
コメント一覧 (4件)
[…] 急な帰国や転勤でリース期間中に退去する場合のトラブルです。多くの2年リースにはDiplomatic Clause(外交条項)が入っていて、最低12ヶ月居住後に2ヶ月前通知で解約できます。ただし、この条項がない契約や、条件を満たさずに退去すると残りのリース期間分の家賃を請求されることもあります。 […]
[…] シンガポールの賃貸契約では、1年リースなら家賃1ヶ月分、2年リースなら家賃2ヶ月分のデポジットが標準です。日本の敷金と同じイメージですが、退去時に原状回復費を差し引かれて返金されます。 […]
[…] 移住してすぐに家を買いたい気持ちはわかりますが、ABSDの差額を考えると、まずは賃貸で住みながらPRを取得し、それから購入を検討する方が圧倒的に賢い選択です。 […]
[…] こんにちは、Ayakaです!シンガポールに移住したとき、賃貸物件が決まるまでに約2週間かかりました。その間ホテルに滞在して、気づけば宿泊費だけでSGD 5,000(約55万円)…。正直、もっと賢くやれたなと反省しています。これから移住する方が同じ失敗をしないように、滞在先の選び方をまとめました。 […]