シンガポールの銀行口座開設ガイド【DBS・OCBC・UOBを徹底比較】
結論から言うと、シンガポールで働く日本人なら、Employment Pass(EP)があれば3大銀行(DBS・OCBC・UOB)のどこでも口座開設できます。私はDBS Multiplierをメイン口座にしていますが、正直に言うと「どの銀行でも大きな差はない」というのが使ってみた実感です。
ただ、口座の種類や手数料体系、マルチカレンシー対応には違いがあるので、この記事では私自身の経験をもとに、銀行選びから口座開設の流れまでまとめました。
3大銀行の比較表
シンガポールの3大ローカル銀行を、日本人駐在員がよく使う口座タイプで比較するとこうなります。
| DBS Multiplier | OCBC 360 | UOB One | |
|---|---|---|---|
| 最低残高 | S$3,000 | S$3,000 | S$1,000 |
| 残高不足手数料 | S$5/月 | S$2/月 | S$5/月 |
| 給与振込ボーナス金利 | あり | あり | あり |
| マルチカレンシー | ◎(My Accountで13通貨) | ○(Global Savings Account) | ○(Multi-Currency Account) |
| オンライン口座開設 | ◎(Singpass対応) | ○ | △(外国人は要来店) |
| ATM数 | 最多 | 多い | やや少なめ |
| アプリの使いやすさ | ◎ | ○ | ○ |
移住してから気づいたのですが、DBSはATMの数が圧倒的に多く、アプリ(digibank)の完成度も高いです。PayNowやQRコード決済もアプリ内でスムーズに使えます。給与の受取口座としてDBSを指定する会社も多い印象です。一方、OCBCは残高不足手数料がS$2と最も安く、初年度は免除されるのも地味に助かります。UOBはクレジットカードとの連携特典が充実していて、UOB Oneカードと組み合わせるとキャッシュバックの条件を満たしやすいのがメリットです。
口座開設の手順
実際の流れはシンプルです。日本の銀行口座開設と比べるとかなりスムーズで、オンラインなら30分もかかりません。私がDBSで開設したときの手順を紹介します。
ステップ1:Singpassを取得する
シンガポールで就労ビザ(EP / S Pass)を取得したら、まずSingpassに登録します。これはシンガポール版のマイナンバーのようなもので、銀行口座開設だけでなくあらゆる行政サービスで使います。
ステップ2:オンラインまたは店舗で申請する
DBS・OCBCはSingpassのMyInfoを使ってオンライン申請が可能です。個人情報が自動入力されるので、入力の手間がかなり省けます。UOBは外国人の場合、支店への来店が必要になります。オンラインなら15〜20分程度で申請完了します。
ステップ3:口座番号が発行される
オンライン申請の場合、最短で当日〜数営業日で口座番号が発行されます。店舗申請の場合はその場で発行されることがほとんどです。デビットカードは後日郵送で届きます。
必要書類
口座開設に必要な書類はどの銀行もほぼ同じです。
- パスポート(原本)
- Employment Pass / S Pass / Dependant’s Pass(またはIPA Letter)
- シンガポールの住所証明(賃貸契約書、公共料金の請求書、銀行からの郵便物など。発行から3ヶ月以内)
正直に言うと、シンガポールに着いたばかりの時期は住所証明の準備が一番面倒です。まだ公共料金の請求書がない場合は、賃貸契約書(Tenancy Agreement)のコピーが使えます。IPA Letter(In-Principle Approval)でも仮の口座開設を受け付けてくれる銀行もあるので、到着直後でも焦らなくて大丈夫です。
デジタルバンクという選択肢
シンガポールには2022年以降、MAS(シンガポール金融管理局)がライセンスを発行したデジタル専業銀行も登場しています。物理的な店舗を持たず、すべてアプリで完結するのが特徴です。
- Trust Bank(Standard Chartered × FairPrice):外国人も口座開設可能。最低残高の制約なし。FairPriceでの買い物でリベートがもらえるのが特徴
- GXS Bank(Grab × Singtel):Singpassがあれば開設可能。Grabとの連携が便利
- MariBank(Sea Limited):Singpass+シンガポールの携帯番号で開設可能
私の周りでは、Trust Bankをサブ口座として使っている人が多いです。最低残高の縛りがなく、FairPriceスーパーで割引が受けられるのが人気の理由。ただ、給与振込のメイン口座としてはやはりDBS・OCBC・UOBのいずれかにしておくのが安心です。会社のHR部門が対応しやすいですし、住宅ローンなど将来の金融取引でも3大銀行の口座があると有利です。
マルチカレンシー口座について
日本円とシンガポールドルを頻繁にやり取りするなら、マルチカレンシー口座は必須です。特にDBSの「My Account」は13通貨(SGD、JPY、USD、EUR、GBPなど)を1つの口座で管理でき、最低残高の要件もありません。海外ATMでの引き出しやオンライン決済で、自動的にその通貨で引き落とされるので為替手数料を抑えられます。
ただし、銀行のレートはWiseなどの送金サービスと比べるとやや割高です。まとまった額を日本から送金するなら、銀行の両替ではなくWiseを使った方がレートは有利になります。
口座維持の注意点
シンガポールの銀行口座を維持するうえで、日本人が見落としがちなポイントをまとめます。
- 最低残高を下回ると手数料がかかる:DBS MultiplierならS$3,000を切るとS$5/月。地味に痛いので、給与日前の残高には注意してください
- 口座を放置すると休眠口座になる:⚠️ 要確認: 一般的に12ヶ月以上取引がないと休眠(Dormant)扱いになり、手数料が発生する場合があります
- 帰国時は口座を閉じるか維持するか決める:非居住者として口座を維持する場合、銀行に届け出が必要です。住所変更をせずに放置すると郵便物が届かなくなり、最悪の場合口座が凍結されることもあります
- 日本のマイナンバー提出を求められることがある:CRS(共通報告基準)に基づき、銀行が日本の税務番号の提出を求めるケースがあります。聞かれたら素直に出しましょう
まとめ:まずはDBS or OCBCで1つ開設しよう
正直に言うと、3大銀行の間でサービスに決定的な差はありません。迷ったらDBSかOCBCでメイン口座を作り、サブとしてTrust Bankを開設するのが現時点ではバランスが良いと思います。マルチカレンシー口座も早めに作っておくと、日本への送金や海外旅行のときに便利です。
EPを持っていればオンラインで申請できるので、シンガポール到着後なるべく早めに済ませてしまうのがおすすめです。給与振込の手続きにも口座番号が必要になるので、後回しにすると意外と困ります。私の場合、渡星して3日目に開設しましたが、もっと早くやっておけばよかったと思いました。
※この記事の情報は2026年3月時点のものです。手数料・金利・口座開設条件は変更される可能性があるため、最新情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。

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