シンガポールの銀行口座開設ガイド【DBS・OCBC・UOBを徹底比較】

シンガポールの銀行口座開設イメージ

シンガポールの銀行口座開設ガイド【DBS・OCBC・UOBを徹底比較】

結論から言うと、シンガポールで働く日本人なら、Employment Pass(EP)があれば3大銀行(DBS・OCBC・UOB)のどこでも口座開設できます。私はDBS Multiplierをメイン口座にしていますが、正直に言うと「どの銀行でも大きな差はない」というのが使ってみた実感です。

ただ、口座の種類や手数料体系、マルチカレンシー対応には違いがあるので、ここからは私自身の経験をもとに、銀行選びから口座開設の流れまでまとめました。

シンガポールのマリーナベイ・金融街の夜景
シンガポールのマリーナベイ・金融街の夜景(Photo: Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)

シンガポールに来てまず最初にぶつかる壁が銀行口座開設、という人も多いと思いますが、私も2022年4月に移住して右も左も分からないまま、Raffles PlaceのDBS本店に飛び込んだクチです。。EPカードとパスポートだけ持って行けば30分で終わると聞いていたのに、実際は住所証明(テナンシーアグリーメント)も必要と言われ、出直すハメに。結局その日のうちにオーナーにWhatsAppで契約書PDFを送ってもらって、午後また並び直しました。最低残高S$3,000を切ると毎月S$5引かれるという話も、窓口のお姉さんに「Are you sure you have enough?」と真顔で確認されて初めて知った感じ。最初の1ヶ月は給料日まで残高ヒヤヒヤでした。

目次

3大銀行の比較表

シンガポールの3大ローカル銀行を、日本人駐在員がよく使う口座タイプで比較するとこうなります。

DBS Multiplier OCBC 360 UOB One
最低残高 S$3,000 S$3,000 S$1,000
残高不足手数料 S$5/月 S$2/月 S$5/月
給与振込ボーナス金利 あり あり あり
マルチカレンシー ◎(My Accountで13通貨) ○(Global Savings Account) ○(Multi-Currency Account)
オンライン口座開設 ◎(Singpass対応) △(外国人は要来店)
ATM数 最多 多い やや少なめ
アプリの使いやすさ

移住してから気づいたのですが、DBSはATMの数が圧倒的に多く、アプリ(digibank)の完成度も高いです。PayNowやQRコード決済もアプリ内でスムーズに使えます。給与の受取口座としてDBSを指定する会社も多い印象です。一方、OCBCは残高不足手数料がS$2と最も安く、初年度は免除されるのも地味に助かります。UOBはクレジットカードとの連携特典が充実していて、UOB Oneカードと組み合わせるとキャッシュバックの条件を満たしやすいのがメリットです。

口座開設の手順

実際の流れはシンプルです。日本の銀行口座開設と比べるとかなりスムーズで、オンラインなら30分もかかりません。私がDBSで開設したときの手順を紹介します。

ステップ1:Singpassを取得する

シンガポールで就労ビザ(EP / S Pass)を取得したら、まずSingpassに登録します。これはシンガポール版のマイナンバーのようなもので、銀行口座開設だけでなくあらゆる行政サービスで使います。

ステップ2:オンラインまたは店舗で申請する

DBS・OCBCはSingpassのMyInfoを使ってオンライン申請が可能です。個人情報が自動入力されるので、入力の手間がかなり省けます。UOBは外国人の場合、支店への来店が必要になります。オンラインなら15〜20分程度で申請完了します。

ステップ3:口座番号が発行される

オンライン申請の場合、最短で当日〜数営業日で口座番号が発行されます。店舗申請の場合はその場で発行されることがほとんどです。デビットカードは後日郵送で届きます。

必要書類

口座開設に必要な書類はどの銀行もほぼ同じです。

  • パスポート(原本)
  • Employment Pass / S Pass / Dependant’s Pass(またはIPA Letter)
  • シンガポールの住所証明(賃貸契約書、公共料金の請求書、銀行からの郵便物など。発行から3ヶ月以内)

正直に言うと、シンガポールに着いたばかりの時期は住所証明の準備が一番面倒です。まだ公共料金の請求書がない場合は、賃貸契約書(Tenancy Agreement)のコピーが使えます。IPA Letter(In-Principle Approval)でも仮の口座開設を受け付けてくれる銀行もあるので、到着直後でも焦らなくて大丈夫です。

デジタルバンクという選択肢

シンガポールには2022年以降、MAS(シンガポール金融管理局)がライセンスを発行したデジタル専業銀行も登場しています。物理的な店舗を持たず、すべてアプリで完結するのが特徴です。

  • Trust Bank(Standard Chartered × FairPrice):外国人も口座開設可能。最低残高の制約なし。FairPriceでの買い物でリベートがもらえるのが特徴
  • GXS BankGrab × Singtel):Singpassがあれば開設可能。Grabとの連携が便利
  • MariBank(Sea Limited):Singpass+シンガポールの携帯番号で開設可能

私の周りでは、Trust Bankをサブ口座として使っている人が多いです。最低残高の縛りがなく、FairPriceスーパーで割引が受けられるのが人気の理由。ただ、給与振込のメイン口座としてはやはりDBS・OCBC・UOBのいずれかにしておくのが安心です。会社のHR部門が対応しやすいですし、住宅ローンなど将来の金融取引でも3大銀行の口座があると有利です。

マルチカレンシー口座について

日本円とシンガポールドルを頻繁にやり取りするなら、マルチカレンシー口座は必須です。特にDBSの「My Account」は13通貨(SGD、JPY、USD、EUR、GBPなど)を1つの口座で管理でき、最低残高の要件もありません。海外ATMでの引き出しやオンライン決済で、自動的にその通貨で引き落とされるので為替手数料を抑えられます。

ただし、銀行のレートはWiseなどの送金サービスと比べるとやや割高です。まとまった額を日本から送金するなら、銀行の両替ではなくWiseを使った方がレートは有利になります。

口座維持の注意点

💡 NordVPNで日本の口座をシンガポールから管理(ゆうちょ・三菱UFJ等の海外アクセス制限を回避)|設定手順はこちら

シンガポールの銀行口座を維持するうえで、日本人が見落としがちなポイントをまとめます。

  • 最低残高を下回ると手数料がかかる:DBS MultiplierならS$3,000を切るとS$5/月。地味に痛いので、給与日前の残高には注意してください
  • 口座を放置すると休眠口座になる:一般的に12ヶ月以上取引がないと休眠(Dormant)扱いになり、手数料が発生する場合があります
  • 帰国時は口座を閉じるか維持するか決める:非居住者として口座を維持する場合、銀行に届け出が必要です。住所変更をせずに放置すると郵便物が届かなくなり、最悪の場合口座が凍結されることもあります
  • 日本のマイナンバー提出を求められることがある:CRS(共通報告基準)に基づき、銀行が日本の税務番号の提出を求めるケースがあります。聞かれたら素直に出しましょう

日本の口座を海外から使うならシンガポールVPN比較で日本サーバー経由のアクセス方法も確認を。送金の手数料比較はシンガポール→日本送金比較もあわせてどうぞ。

シンガポールのラッフルズプレイス・銀行が集まる金融街
ラッフルズプレイス——3大銀行の本店が集まるシンガポールの金融街(Photo: Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0)

ビザ別の口座開設可否

「観光ビザでも口座は作れますか?」とよく聞かれますが、ビザの種類によって開設できる銀行・口座は大きく変わります。私が実際に見聞きしたケースをもとに、現実的な可否をまとめました。

ビザ種別3大銀行(DBS/OCBC/UOB)デジタルバンク備考
観光ビザ(短期滞在)原則 不可原則 不可住所証明が出せず実質開設不可
IPA Letter(EP発行待ち)銀行による(DBSは可、UOBは要EP実物)多くは要Singpass仮口座扱いで一部機能制限あり
Employment Pass(EP)◎ 全行で可(オンライン含む)◎ 全行で可最も自由度高い
S Pass○ 開設可(給与条件は問題なし)○ 開設可EPとほぼ同様
Work Permit銀行による(雇用主のサポート要)制限多い給与振込先指定がある場合も
Dependant’s Pass(DP)○ 開設可○ 開設可主たるEP保持者の収入証明が必要なことも
Long Term Visit Pass(LTVP)○ 開設可(住所証明が鍵)○ 開設可家族帯同・配偶者ケースで多い
Student Pass○ 学生向け口座あり(DBS eMSAVE等)○ 開設可最低残高免除の学生プランが便利
Permanent Resident(PR)◎ 全行で可(住宅ローン等も組める)◎ 全行で可居住者扱いで最も有利

正直に言うと、観光ビザでの口座開設は2020年以降ほぼ閉ざされました。マネーロンダリング規制が強化され、住所証明(Tenancy Agreementや公共料金請求書)を出せない人は窓口で断られるのが現状です。「移住前に観光で来たついでに口座だけ作っておく」という方法は、もう使えないと思っておいた方が無難です。

逆に、EPやS Passを取得していれば、3大銀行のどこでも問題なく開設できます。IPA Letter(EP正式発行前の仮承認レター)の段階でも、DBSは比較的スムーズに対応してくれることが多いです。私の同僚はIPA段階でDBS Multiplierを開設し、給与振込の準備を済ませていました。

シンガポールの銀行ATM
シンガポールではATMもPayNowもアプリで完結する(Photo: Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)

PayNow・ローカル送金の活用

シンガポールの口座を持つメリットの一つがPayNowです。日本の銀行振込より圧倒的に簡単で、手数料も基本無料。私は友人との割り勘・家賃の支払い・ヘルパーへの給与支払いまで、すべてPayNowで済ませています。

PayNowでできること

  • NRIC/FIN番号で送金:相手の口座番号を聞かなくても、NRIC/FIN(外国人ID)を入れるだけで送金できる
  • 携帯番号で送金:シンガポールの携帯番号(+65)に紐づけ可能
  • QRコード決済:ホーカーセンターやローカル屋台ではQRコード読み取りで支払い
  • 即時着金:銀行の営業時間外・週末でも数秒で相手に届く
  • 銀行間送金も無料:DBSからOCBC、UOBからGXSなど、どの銀行間でも手数料ゼロ

PayNow設定の注意点

PayNowは1つのNRIC/FIN・携帯番号につき1つの銀行口座にしか紐付けられません。複数の銀行口座を持っている場合、メインで使う1行を選ぶ必要があります。私は給与振込のDBSを紐付けていますが、後からOCBCに変更したい場合は、DBS側で解除してからOCBC側で登録する必要があり少し手間です。

日本円との連携は?

残念ながら、PayNowは日本の銀行口座とは直接つながりません。日本に送金する場合は、3大銀行の海外送金(手数料SGD 30〜50+為替マークアップ)か、Wise等の送金サービスを使うのが一般的です。手数料を抑えたいならWise一択というのが在住者の常識です。

日本人が陥りがちな落とし穴

移住してから気づいたのですが、銀行口座まわりで日本人特有のトラブルがいくつかあります。先に知っておくと回避できるので共有します。

① 漢字氏名 vs パスポート表記の不一致

シンガポールの銀行はパスポートのローマ字表記で口座を作ります。日本側の口座(漢字表記)と一致しないため、日本→シンガポールへの海外送金で「受取人氏名不一致」で差し戻しになるケースがあります。日本の銀行で海外送金する際は、必ずパスポートと同じローマ字(YAMADA TARO 等)で送金依頼してください。

② 住所証明が間に合わない問題

到着直後、賃貸契約はあるのに公共料金の請求書がまだ来ない…という時期があります。この期間に銀行口座を作りたいときは、以下のいずれかが使えます。

  • Tenancy Agreement(賃貸契約書)のコピー+大家のサイン入り
  • 会社が発行するEmployment Confirmation Letter(住所記載あり)
  • サービスアパートの宿泊証明書(短期滞在中の場合)
  • SP Group(電力会社)の契約完了メール

③ 帰国時に口座を放置するリスク

日本に本帰国する際、口座をそのまま放置すると非居住者扱いに切り替わり、住所変更しないと郵便物が届かず最終的に凍結されることがあります。帰国前に必ず以下を実施してください。

  • 銀行に「Change of Residency」を届け出る
  • 残高をWiseで日本に送金しておく(少額残しておくと再来星時に便利)
  • マイナンバー提出を求められたら素直に出す(CRS報告対象)
  • ネットバンキングのログイン情報を保管(日本からアクセスする際に必要)

④ 日本の銀行口座への海外アクセス制限

シンガポールに住みながら日本の銀行口座(ゆうちょ・三菱UFJ・三井住友など)にネットバンキングでログインすると、海外IPからのアクセスとしてブロックされることがあります。日本のIPアドレスからアクセスする必要があり、NordVPN等のVPNを経由すれば解決します。これは在住者にとって地味だけど超重要なライフハックです。

銀行口座開設のよくある質問(FAQ)

シンガポールで観光ビザのうちに銀行口座は作れる?

原則不可です。マネロン規制強化により、住所証明(Tenancy AgreementやSP Groupの請求書)を出せない人は窓口で断られます。EPやS Passを取得してから、IPA Letterの段階で開設手続きを始めるのが現実的です。

DBS・OCBC・UOBの中でどれを最初に開設すべき?

迷ったらDBS Multiplierがおすすめです。ATM数最多、digibankアプリの完成度、Singpass連携によるオンライン申請のスムーズさで頭一つ抜けています。給与振込先としてDBSを指定する企業も多く、HRとのやり取りもスムーズです。

最低残高を下回ったらいくら手数料がかかる?

DBS Multiplier・UOB OneはS$5/月、OCBC 360はS$2/月(初年度免除)が一般的です。S$3,000前後の最低残高はキープしておくと安心。Trust Bank等のデジタルバンクは最低残高の縛りがないので、サブ口座として併用する人が多いです。

PayNowで日本の家族にお金を送れる?

送れません。PayNowはシンガポール国内の銀行間でしか使えません。日本への送金は、銀行の海外送金(手数料SGD 30〜50+為替マークアップで実質3〜5%)か、Wise(手数料SGD 5前後+ミッドマーケットレート)が選択肢です。少額〜中額の送金ならWiseが圧倒的に安いです。

日本に本帰国するとき、シンガポールの口座は閉じるべき?

将来再来星の予定があるなら、Change of Residency手続きをして残しておくのもアリです。ただし非居住者口座への切り替え・住所変更を必ず実施してください。郵便物の不達放置は口座凍結リスクが高いです。完全に縁を切るなら閉鎖手続きを取り、残高はWiseで日本に送金しておきます。

💭 あやかメモ:デジタルバンクという選択肢

最近、同じコンドの台湾人ママ友がメイン口座をTrust BankとGXSに切り替えたらしく、「窓口に行かなくていいし、金利もDBSより良い」と熱弁されました。確かにTrust Bankは2.5%の金利が付く時期もあって悪くないんですが、住宅ローンとか会社の給与振込まわりはまだローカル3大銀行の方が圧倒的にスムーズ。サブ口座として持つのが現実解かなと。全部デジタルに寄せるのは、駐在員にはちょっと早い気がしています。

まとめ:まずはDBS or OCBCで1つ開設しよう

正直に言うと、3大銀行の間でサービスに決定的な差はありません。迷ったらDBSかOCBCでメイン口座を作り、サブとしてTrust Bankを開設するのが現時点ではバランスが良いと思います。マルチカレンシー口座も早めに作っておくと、日本への送金や海外旅行のときに便利です。

EPを持っていればオンラインで申請できるので、シンガポール到着後なるべく早めに済ませてしまうのがおすすめです。給与振込の手続きにも口座番号が必要になるので、後回しにすると意外と困ります。私の場合、渡星して3日目に開設しましたが、もっと早くやっておけばよかったと思いました。

※この記事の情報は2026年3月時点のものです。手数料・金利・口座開設条件は変更される可能性があるため、最新情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。

📅 更新履歴

2026年5月更新:DBS Multiplierの優遇金利条件が今年2月から少し改悪され、給与クレジット+クレカ利用だけだと以前ほど金利が伸びなくなりました。私は投資項目を追加してなんとか年率2.8%キープ中。新規開設ならOCBC 360の方が条件はシンプルかも。

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この記事を書いた人

シンガポール在住の外資系OL。移住のリアルを現地から発信しています。

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