シンガポールで車を持つ費用|COE制度と世界一高い車の真実

シンガポールで車を持つ費用|COE制度と世界一高い車の真実

シンガポールに来て最初に衝撃を受けたことのひとつが、車の値段。日本で200万円台で買えるトヨタ・カローラが、シンガポールではSGD 150,000以上(約1,700万円)するって聞いたとき、正直「嘘でしょ?」って声が出た。でもこれ、本当の話なんです。

シンガポールは「世界で最も車が高い国」として知られていて、その理由は独自のCOE制度にある。今回は、シンガポールで車を持つとどれくらいお金がかかるのか、リアルな数字で整理してみます。

目次

なぜシンガポールの車はこんなに高い?COE制度とは

シンガポールで車が異常に高い最大の理由がCOE(Certificate of Entitlement)。日本語にすると「車両所有権証書」で、車を所有する権利を入札で購入する制度です。

国土が小さいシンガポールでは、交通渋滞を防ぐために車の総数を政府が厳しく管理している。車を買いたい人は、まずこのCOEを競り落とさないといけない。しかもCOEの有効期限は10年間。10年経ったら再びCOEを更新するか、車をスクラップにするかの二択になる。

2025〜2026年時点のCOE価格の目安はこんな感じ。

カテゴリ対象COE価格の目安
Cat A排気量1,600cc以下 / 電気自動車(130bhp以下)SGD 90,000〜110,000
Cat B排気量1,600cc超 / 電気自動車(130bhp超)SGD 140,000〜170,000

入札制なので価格は毎回変動する。需要が高まると一気に跳ね上がることもあって、過去にはCat BがSGD 170,000を超えたこともある。COEだけで日本の新車が余裕で買える値段…。

トヨタ・カローラの購入費用を分解してみる

具体的にトヨタ・カローラ(Cat A)を例に、シンガポールでの購入総額を見てみよう。

項目金額(SGD)
車両本体価格約50,000
COE約100,000
ARF(追加登録料 / OMVの約100%)約25,000〜30,000
物品税(OMVの20%)約5,000〜6,000
登録料220
合計約150,000〜170,000

日本円で約2,000万円。日本でカローラを買えば約250万円だから、シンガポールではおよそ8倍の価格になる。車体そのものよりCOEのほうが高いという逆転現象が起きているのがシンガポールの現実です。

毎月の維持費もかなり重い

買って終わりじゃないのが車の怖いところ。シンガポールで車を持つと、毎月これだけかかる。

項目月額目安(SGD)
ローン返済1,500〜2,000
自動車保険150〜300
ガソリン代200〜400
駐車場(HDB100〜300
駐車場(コンド/CBD)300〜500
道路税50〜100
ERP(電子料金徴収)50〜100
メンテナンス100〜200
合計約2,150〜3,900

日本円にすると月25万〜45万円。日本で車を持つ維持費が月3〜5万円程度と考えると、その差は歴然。私の周りでも「車は完全に贅沢品」という認識の人がほとんどです。

車なし生活の代替手段と費用比較

じゃあ車がないと不便なのかというと、シンガポールではまったくそんなことはない。むしろ公共交通とGrabの組み合わせが最強。

移動手段月額目安(SGD)備考
MRT + バス100〜150通勤含む日常利用
Grab(配車アプリ)300〜600週3〜5回利用の場合
カーシェア(GetGo等)利用時間による週末ドライブ向き
MRT + Grab併用400〜750車の1/4以下の費用

MRTとバスだけなら月SGD 150以下。Grabを週に何度か使っても月SGD 750程度で収まる。車を所有する場合の1/3〜1/5のコストで済む計算になる。交通機関の詳しい使い方はMRT・バスの乗り方ガイドにまとめているので参考にどうぞ。

それでも車を持つべきケースはある?

正直、ほとんどの在星日本人に車は必要ない。でも、こんな場合は検討の余地があると思う。

  • 小さい子どもが複数いる家庭:ベビーカー+荷物でMRTはかなり大変。毎日の送迎がある場合は車のメリットが大きい
  • 仕事で頻繁に移動が必要:営業職など、一日に複数箇所を回る場合はGrabだと割高になることも
  • マレーシアへの頻繁な越境:JBへ週末買い出しに行く家庭は、車があると便利

逆に、単身や夫婦だけの世帯であれば車は完全にオーバースペック。その分のお金を移住の初期費用生活費に回したほうがずっと賢いと思う。

よくある質問

Q. 中古車なら安く買える?

シンガポールの中古車は日本ほど安くならない。COEの残り期間が価格に大きく影響するため、残り3〜4年のCOEでもSGD 70,000〜100,000することが珍しくない。「中古なら手が届く」とは思わないほうがいいです。

Q. 電気自動車(EV)のほうがお得?

シンガポール政府はEV普及を推進していて、ARFのリベートなど優遇措置はある。ただしCOEの仕組みは同じなので、総額が劇的に安くなるわけではない。テスラ Model 3でもSGD 150,000以上はする。

Q. 日本の免許はシンガポールで使える?

日本の運転免許は、シンガポールの免許に書き換え(コンバージョン)が可能。実技試験は免除で、基本的に書類手続きだけで切り替えられる。ただし車を買うかどうかは別問題…。

まとめ:シンガポールでは車は「超贅沢品」

シンガポールで車を持つということは、購入に約2,000万円、維持に月25〜45万円を覚悟するということ。日本とは完全に別次元の出費になる。よほど高収入でない限り、MRT + バス + Grabの組み合わせが圧倒的にコスパがいい。

私自身、シンガポールに来てから一度も車を持ったことがないけれど、不便を感じたことはほぼない。電車もバスもきれいで時間通りだし、Grabを呼べば数分で来る。シンガポールの物価は全体的に高いけれど、交通費に関しては「車を持たない」という選択をするだけで大幅に抑えられる。


※この記事の情報は2026年4月時点のものです。COE価格や税制は頻繁に変動するため、最新情報はLTA(陸上交通庁)の公式サイトでご確認ください。記載の日本円換算は1 SGD=約115円で計算しています。

シンガポールの交通・フェリー

Klook.com
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

シンガポール在住の外資系OL。移住のリアルを現地から発信しています。

コメント

コメントする

目次